保護中のアフガン君9ヶ月、お預かり中の名前はボブ君になりました。
さて、そのボブ君ですがヘルスチェックで引っかかってしまい、昨日は朝から病院の呼びだし電話があり皮下点滴を受け、今日も同じ点滴をして明日再検査する事となりました。
近く予定していた去勢手術は、余程の好転が認められない限り延期となるはずです。
昨日は預かり家のライフワーク、災害救助犬のトレーニングの日だったのでボブ君も点滴の後一緒に連れて行って貰ったそうです。
元気がないといっても9ヶ月のアフガンハウンド、走り出すかと思いきや、お兄さん達が遊ぶ様子を眺めながらてくてく歩くだけだったそう。
突然の長距離移動で体力的&精神的な原因による一過性のものか、慢性的な問題なのかが現状では分かりません。
でも、一歳にもならない若さですから心配です。
体調が整い次第里親募集を始める予定でしたが、里親登録をされているご家族とのお話もあることですし、体調を整える事を優先し、焦ることなくゆっくりと様子を見ていくことにしました。
まいどまいど、我が家はアフガンの幼稚園であり、リハビリハウスであり、ケアセンターですから、安心してゆっくりしていってもらいましょう^^
ボブ君との出会いで、私は昨日からエルが我が家にやってきた時の様子を思い出しています。
体はぼろぼろでガリガリ、精神的にも虚ろな表情しかしなかったエルは、当時推定5歳と獣医さんのご意見ながら、私には疲れきった老犬に見えました。
どちらにしろ不自然だったのが歯石ひとつないきれいな歯、アフガンハウンドらしい柔らかさのないロボットのような歩き方、また体の大きさに対して顔と足(パット)が異様に大きく見えました。
JKCのトレーナーさんがフルタイムで勤務する、私も信頼する保護団体さんに2ヶ月ほどお世話になっていたのですが、その間どうしてもトイレを覚えてくれず、最初のトライアル先からもそれを理由に一日で返されて来ました。
最初に里親申し込みをされたお宅で決まると思っていたので、急にトライアルの話が舞込んだ我が家はビックリ!
そんな時に肝が据わるのも早いのが我が家の特徴 (御気楽なだけ^^)で、トイレの問題も改めて説明を受けた上で”まぁ、なんとかなるわよ”ってカンジでエルを迎えました。
すぐに分かったことは、エルの一番の問題はトイレではなく、コチコチに固まった関節により体が普通に動かないことでした。
人間だったらとてもとてもかわいそうで痛みに鳴き声をあげる犬に無理なリハビリをさせることは出来なかったでしょう。
エルにとって幸いだったのは、我が家に元気な一歳半のアフガン、ガウディ&セナがいたこと。
彼らが楽しそうに家の中を走り回り・遊びまくる様子に目を見張り、自分も一緒に遊ぼうと二頭の後ろを追うようになるまで何日もかかりませんでした。
その冬は雪が何度も降って、12月に我が家に来たエルも初めての雪遊びを庭で何度も楽しむことが出ました。
屋上で遊ぼうと階段を二段抜かしで飛んで上っていく2頭の後ろから、固まってしまった関節を動かすことで起きる痛みに打ち勝って、ヒーヒー言いながら追いかけてゆくエル。
上手に走れないのにセナに追いかけられ、無理をさせないように私も常に監視をして、ふにゃふにゃの柔らかい足のパットが傷ついて、肉球の間も擦り切れて、血を出す度に洗浄しては薬を塗るを繰り返す日々...
そして、気が付くとエルは走ったり寝返りをしたりするたびに走る関節の痛みに悲鳴をあげる回数が減り、いつの間にか普通に暮らせるようになっていました!
トイレは、ガウディの真似をすることで覚えました。
なんでもかんでも、ガウディの真似すれば大丈夫なんだと理解した様子でした。
それでも当初は、場所もシートも関係なく少量を何回もの垂れ流し状態で、<我慢する>という感覚を教えることが出来ませんでした。
我慢することを覚えるきっかけは、実に実に思いがけないことでした。
我が家に来て一週間、先住犬とのトラブルの心配がなくなり完全に自由にさせようとした夜、就寝タイムに寝室にやってきて、ベッドで横になる私の隣にぴったりと体を付けて動かなくなったのです。
きっと、ママが視界にいないと不安なんだろうと、おしっこをされたら困ると思いつつ、自由にさせてあげることにしたのです。
すると、エルはその一晩ずっと同じ態勢のまま朝まで過ごし、初めて6時間トイレを我慢することが出来ました!
それから暫くの間毎晩一緒に寝るようになり、自然とトイレを我慢するという感覚を身につけ、我が家でのトライアルが終わる頃には粗相をする事がほとんどなくなりました^^

正式に我が家の子になり数ヶ月を過ごしたエルは、筋肉がしっかり付いた体は来たときより2まわりも大きくなり、体と顔、足の大きさのバランスも普通になっていました。
なんと、エルは老犬でも、5歳でもなく、1歳に満たないまだまだ成長期の若い犬だったのです。
犬に何かを教えたいとき、私たちは本やネットなどの <HOW TO ほにゃらら> にすぐ頼ってしまいますが、犬同士で教え合うことと、必要に応じて身に付けることが出来る犬の能力があることを、私は我が家の犬たちに教わりました。
犬には犬の世界があり、人間にはどうにも教えられい事は、彼らの世界のやり方に任せるのがよいのです。
犬って、自然のままですごいんです^^
すっかり我が家の子に落ち着いた頃のエル・コンドル
たぶん、我が家でのボブ君のお遊び相手はエルが買って出ると思います^^